古武道を始めてしばらく経つのですが
その中に手首から先を使う技があり
私はこれがさっぱりできませんでした。
どうやっても余計な力が抜けず
相手に技を効かすことができません。
君もこれはできないんだな、これができるようになればね、
などと言われたり。
でも正直なところ、そんな言葉も、できない自分のことも
ほとんど気にしていませんでした。
「私、これ苦手なんですよね」と言いながら
他の技にくらべると、稽古もほとんどやりませんでした。
別にできなくてもいいや、
と本気で思っていたわけではないですが
私にも上手にできる技はあったし
もっと学びたいこと、上達したいことが
他に山ほどあったからです。
そうして、そちらは放っておいて1,2年が過ぎたのですが
ある日、いきなりその技ができるようになりました。
あれ、あんなにできなかったのに?
と自分でも不思議なくらいで
それからは面白いように技がかかるように。
昔がひどかっただけに
我ながら、うまくなったなあ、と思います。
(あくまで当社比です・笑)
では、その技の稽古はほとんどしていないのに、
なぜいきなりできるようになったのか?
それは、自分の「もっと学びたいこと」つまり
「自分にとって重要だと思う稽古」や、
「自分が高めたいもの」を磨くうちに
その技をやるために必要な様々な条件が
いつのまにか整っていた=できるようになっていた、からなんです。
小手先だけでなんとかしようとしたり、
根を詰めて、その技だけをやっても
いまのようにはできなかったと思います。
この経験から、やっぱり「やりたいこと」をやればいいんだな
という、コーチングの基本を再認識しました。
実は、変化や抽象度が上がるときというのもこれに似ています。
いままでずっと、どうすればいいかわからなかったものが
ある日突然、「なんだ、こういうことか」と腑に落ちる。
それから、まるで最初から得意だったかのように、
それができるようになる。
私のコーチングのセッションでは、
クライアントさんがそういう事態になって
自分で驚いている、という光景をよく見ます。
「変化ってこんな簡単だったんですね」と言われると
そうでしょう、そうでしょう、と私がにんまり。
(とても嬉しい言葉です)
だから、いまあなたが変化するために必死に取り組んでいて
でも、どうしたらいいかわからなくて変化が見えなくても
「私にとってはこれが必要だ、これをやりたい!」
と「感じるもの」を、やっていけばいいのです。
それがあなたをやがて訪れる
「変化のタイミング」へと導いてくれます。
いろんなものを身につけたり、逆に手放したりして
変化するための様々な条件が整ったときに
ポンと魔法がかかったように、いろいろなことが「わかる」のです。
ああ、こういうことだったのか、と。
思考は、絶え間なくいろいろ言ってきます。
「あの人もああ言ってたし、これをやらなきゃ」
「あれもダメだったし、これもできないし」
「これくらいできないと変われないのでは」。。。etc
でも、あなたの内なる感性は、
あなたに何が必要かを知っています。
「私はこれがいいと感じる」
そういう自分の感性を信じて
恐れずに、それに手を伸ばしてください。
私は、古武道において最初から自信があったかというと
そんなものは微塵もありませんでした。
そもそも、男性と取ったり組んだりするなんて
私にとっては拷問のようであり(笑)
本当に嫌なものだったのです。
そういうのが平気な人には想像もつかないくらい
「もうゼッタイ嫌だ」という拒絶反応でした。
ではなぜ、あえてそれをやったのか?
思考ではまっぴらごめんなんだけど、
それが自分の変化のために必要だと、
強く感じていたからです。
ちょっと矛盾するような言い方ですが
思考では嫌なんだけど、同時に
心からやりたいことだったのです。
そのときに感じていたことは正しく
いまとなっては、あんなに嫌がっていた自分はどこへやら、という感じで
心も身体も変わり、楽しく稽古しています。
古武道に限らず、様々なジャンルにおいて
「あれができたらいいと多くの人が言うけれど
でもいまの私にはこっちが大事」
と思うことが結構あります。
だけど、いまやりたいことをやっていくうちに
ポンと何かがはじけるように、
それらに開眼する日があることを私は知っています。
もし、私がそうしたければ。。。
いまはそのための準備期間であり
必ず、変化のタイミングは訪れるのです。
変わりたくてもがいているときは
先が見えないように思われて、いつまで自分はこんな状態なんだ、と
嘆きたくなるようなこともあります。
でも、大丈夫。
あなたの内なる感性を信じてあげてください。
その先にやがて、変化のタイミングが訪れる。
あなたの感性は、それをちゃんと知っているのです。
(雅子皇太子妃ご愛用のショコラティエが作った、薔薇のチョコレート)
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