毒親やACについての本はたくさんあって
コーチングを学ぶずっと前から、
私も多くを読んできました。
改めてコーチングの立場から
私が個人的に思っているのは
それらの本や考え方は
「なぜ自分はこうなのか、なぜ苦しいのかという
〈現状認識〉にはとても役に立つけれども、
乗り越える助けにはあまりならない」
ということです。
なぜならば
それらを読む多くの人のマインドが、表に裏に
「親に認められ、真に愛されること」を
「本当は期待している」からではないかと思います。
期待という言葉がしっくりこなければ
「本当はありのままの自分を愛してほしい」
「そのままの自分を受け入れてほしい」という願い
と言いかえることができるかもしれません。
心のどこかに、そういう願いがあるうちは
恨みや自己憐憫が強くなる傾向がありますし
本の内容がそれらを助長することも
少なくないのです。
しかし毒親が自分を反省したり
いまさらあなたを真の意味で愛したりすることは
ほぼありません。
それどころか
「全部お前の妄想だ、お前はみんなをだましている」
「こんなに愛しているのになんでそんなことを言うの」
「何も覚えていない」
などと言い出すことでしょう。
毒親のほうは、
あなたとの関係性が変わることを
微塵も望んでいません。
いつまでもあなたをコントロールしたいし
いつまでもあなたを罵りたいし
いつまでもあなたを無視したいのです。
だからこそ、毒になる親なのです。
あなたは自分で、その関係性を
「壊して」いかなければなりません。
いままでと同じような所行で
私を傷つけることは二度と許さない
と心に決める必要があるのです。
毒親に育てられた人間にできることは
一刻も早く自立し、
毒親の影響を受けなくなることです。
毒親の影響を受けなくなる、
とはどういうことか?
それは
・親に何を言われても、
それは親の意見であって、
自分や自分の人生には関係ない
・親に何を言われても、罪悪感を持たず、
自分の決めたとおりに動ける
・親にないがしろにされても
過去がどうであっても、
自分で自分を大切にできる
など、いろんな表現ができます。
一言でシンプルにまとめてしまうと
多少乱暴ではありますが
「精神的な自立」です。
そのためには、まず
「自分は親に振り回される弱い存在」ではなく
「私は私」であることを
しっかりと認識しなければなりません。
親と物理的な距離を置くのも、
とても有効な方法だと思います。
乗り越えていく際に大切なのは
「親を変えようとしないこと」です。
彼らには彼らの人生があり
その責任をあなたが負うことはありません。
彼らの人生の責任は自分で取ってもらい
あなたの人生の責任はあなたが取るのです。
不思議なことに
「私は私」という強い軸が
エネルギーとして蓄積してくると
ちょっと余裕が出てきます。
いままでは「なぜ自分はこうなのか」
「なぜこんなに苦しいのか」
ということばかりだったけれど
「なぜ親はこうなのか」
ということに意識が向くのです。
そうすると今度は、
「親の成り立ち」がわかってきます。
親は親で、本当はもっと自分らしく
満たされた人生を生きたかったことでしょう。
それがままならなかった事情があるのです。
残念ながら彼らのほとんどの場合は
自分らしさについて内省する時期を
通り過ぎてしまっていますが。
毒親から自立するプロセスにおいては
もしかすると
「親に向かってなんてことを」
「感謝が足りない」
「育ててもらったんだから」
と、あなたの罪悪感を煽ってくる人が
いるかもしれません。
しかし、そんな言葉を気にすることはありません。
その人は本当の毒親がどんなものかを知らないか
自分の親が毒親だと気づいていないか
毒親よりはまともな親に恵まれたかの
いずれかだと思います。
あなたとその人の成り立ちはまるで違うのです。
自分で自分を守りましょう。
また、毒親を乗り越えていない人々の言葉は
自分の怒りを代弁してくれるかのようであったり
慰めてくれるかのように感じられて
共感できる部分が多いでしょう。
でも、過去に何があったかを理解し怒り悲しむ、
という癒やしのフェーズではなく
「乗り越えたい」という
前に進むタイミングを迎えているならば
まだ乗り越えていない人ではなく
「すでに乗り越えている人」の話に
耳を傾けることをおすすめします。
彼らの言葉は本当の意味で
あなたの力になるでしょう。
それと、これはかなり個人的な意見ですが。
自分が病んでいることを自覚していない人に
相談してはいけません。
よく知らないのに
思い込みで「こうすればいいんだ」という人の
言うことを聞いてはいけません。
彼らには乗り越えることで
「血となり肉となったもの」がないのです。
自分のことは自分で救うことができます。
人として真に成熟し
どんなときもくつろいでいられるようになると
あなたの中から、自分の人生に対して
全く別の感情が生まれてくるでしょう。
そんなときが必ずきます。
コーチングの立場から、毒親について個人的に思うこと
02.02
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