一時的に、社会問題に関心を持つ、ことは簡単かもしれないけれど、
社会問題に関心を持ち続ける、ことは意外と難しい。
普通は、自分の目標や問題や悩みで、精一杯だから。
そこを、全く新しい考え方で、変えていこうという「一般社団法人リディラバ」。
詳しくは、リンク先の記事(http://www.works-i.com/wp/w120_wakamono/section1abe/)を読んで欲しいのですが、
何より私を惹きつけたのは、リディラバ代表理事・安部敏樹さんのこの言葉でした。
『そして、とても大事なことは、社会問題にかかわろうとすることが「得だ」とか「カッコいい」という価値観にしなければならないことです。』
『渋谷でふらふらしている若者が、お金を儲けるために、モテるために。そういうものを作ろうというのが、今僕がやっているリディラバの仕事で、結果的に、それが大きな社会システムの変革につながっていくと思うんです。』
問題提起には、いろいろな方法があるけれど、
この頭の柔らかい発想に、昨日から繰り返し読んでいます。
ちょっと暗い話題になるかわかりませんが
(私にとっては暗くもなんともないんですが)
例えば、山口県光市母子殺害事件。
メディアでの扱いも大きく、
社会的な関心も、他の事件に比べると高かったと思います。
私はこちらの公判の様子を、ずっと気にかけていた一人です。
といっても、傍聴するわけではなく、ニュースや関連ソースを追っていた程度です。
この事件には、様々な要素が詰まっていました。
死刑制度、少年犯罪、判例についての扱い、命の尊厳とは何か、
弁護サイドの不可解な供述、加害者と被害者・遺族との関係など
当時は、上記それぞれのテーマについての書籍も、いろいろ読み漁りました。
しかしですね、この事件について、誰かと込み入った話をしたことは一度もないんです。
なんとなく言いにくかった、のだと思います。
この「なんとなく言いにくい」というのは、社会問題にとっては、大きな壁です。
もっと気軽に、明るい感じで話題にできれば、そこから関心の輪が広がり、
「対岸の火事」ではなく、ふつうの「日常生活」まで、下りてくる可能性が高まるでしょう。
しかし、話題的に、どうしても重たくなりやすい。
もう一つの例えは、「ウツ」です。
こちらも、いまでこそ一定の市民権を得ているように思いますが、
以前は「精神科に通っている」というと、
白い目で見られるような「空気」があったと思います。
安部さんが言っているのは、この「空気感」を変えることなんだろうと。
しかも、渋谷でふらふらしている若者から。
数年前から、男性が料理をすることが流行り始めました。
このとき、高校生のお子さんを持つ方とお話したことがあったのですが、
16,7歳の息子さんが、「お母さん、料理教えて」と言ってきたそうです。
理由を聞くと、
「いまどき、男も料理しないと、モテないから」だったそう。
そのときの私は、「女の子からモテる」ということが、
料理をするモチベーションになるのか、とびっくりしたのですが、
もしかすると、相当、効果が高いのかもしれません(笑)
ということは、「選挙に行くことがかっこいい」「政治を語れると得」とか、
そういう「空気感」が生じることで、一気に投票率が上がる可能性もあります。
いままではどちらかというと、一部の意識の高い人々が、
「上から啓蒙する」ということが、主流だったでしょう。
個人的に、「気持ちいいほどバッサリ斬られた」と思ったのは、コチラ。
『うちの集団の全員が社会を変えたいと思っていたらダメなんですよ。社会を変えたい人は、世界全体で見たときにほんの一握りしかいません。だとすると、「社会を変える人が集まるコミュニティ」だと本当の意味でそこで共有されている価値観は一般化しないわけで、誰でも入ってこられるコミュニティにしないと大きなムーブメントになり得ないんです』
。。。おっしゃる通りでございます^^;
とにかく、めっちゃ面白いので、ぜひ読んでみてください。
「社会問題のプラットフォームを形成」
安部氏は、「社会の無関心の打破」をミッションに掲げ、「世の中の個別の問題を解決する以上に、社会の人々の意識を高めることが根本的解決に近づく」という考えのもと、多岐分野において社会的に十分に認知されていない問題を取り上げたスタディツアーを展開する。
http://www.works-i.com/wp/w120_wakamono/section1abe/
コチラもお勧めです。
「五大陸で教育革命に取り組む」
バングラデシュの貧困地域の高校生に「最高の教師による最高の授業」を届ける映像授業を展開した税所氏。その後、それは7カ国8地域まで広がっている。
ワクワクするって、こういうことだよね、と私は思いました。はい。
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