私たちの生活は、日々、選択の連続になっている。
そのときは些細な、あるいは、
已むに已まれぬ事情があって、仕方なくの決断のつもりが、
後になって、人生に大きな影響力を持つことがある。
ここ数年だけを振り返っても、私にもいくつかの
「ターニングポイント」があった。
クライアントさんが、コーチングを受けると決意するときも、
その選択による、潮流の大きな変化を感じる。
コーチングを受けると、
いままで考えたこともないことについて、
考えるようになる。
いままで、やろうと思ったこともないことについて、
やるようになる。
それはスコトーマが外れて、
自分の新しい可能性が見えてきたり、
あるいは、長年避けてきたものと、向き合うプロセスだったりする。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、とはよく言ったもので、
時間が経つと、それらは、ごく当然の選択や結果であるように思えてきて、
「変化した自分」が「当たり前」になり、
昔の(いけてなかった)自分のことを、すっかり忘れてしまう。
私はときどき、昔を思い出すようにアドバイスしたりする。
自分の変化を実感すると、エフィカシーが上がるから。
さらに、私自身はちょっと注意している。
自分が行動できなかったときのことを、忘れてしまうと、
傲慢になってしまう気がして。
実際はそんなことは、必要ないのかもしれない。
ただ行動し、変化していく自分を見てもらったほうが、
勇気を与えられるのかもしれない。
そのように考えているコーチも多いのだろうけれど、
いまの私にはなんとなく、リアルさが感じられない。
(いずれこの考えも、変わるかもしれない)
でも、そうやって昔を思い出すと、
当時頂いた貴重なアドバイスや、温かさなどが、
いかにいまの自分に影響しているかと気づき、
改めて感謝の想いが湧いてくるから、やはり良いものではないかと思う。
先日、ここしばらくの自分を振り返って、
ああ、実は、あれがターニングポイントだったんだな、と思うことがあった。
そのときの私は、どうしても、「いままでと同じ選択」ができなかった。
もうちょっと力があれば、できたのかもしれない。
もうちょっと周りが見えれば、後々のことまで考えたのかもしれない。
しかし、どうしても自分に嘘をつけず、「ノー」と公言した。
当然のことながら、それは様々な波紋を呼んだ。
事象だけを見れば、きついことも沢山あった。
だけど、いまになって、わかったことがある。
あのとき私は、新しいスタート地点に立ったのだ。
もしも「いままでと同じ選択」をしていたならば、
私はいま考えているようなことを全く考えず、
その後の重要ないくつかの出会いを得ることもなく、
(おそらくは、カナダに行くようなこともなく)
ぬるま湯にぬくぬくと浸かり、
それでいて、荒波を越えているような気になり、
満足していたのだろう。
ひとしきり考えに耽ったあとで、あのときの自分に、心から感謝したくなった。
「よくやった!」と。
「自分に正直に」
この言葉を本当の意味で実践するのは、とても難しい。
何が正直な気持ちなのかさえ、見失っていることが、ほとんどだから。
しかし、その気持ちを掴むチャンスは、必ず巡ってくる。
それを逃さないことだ。
周りに何と言われようと、しっかりと捕まえて、振り切られてしまわないことだ。
そのときは何がなんだかわからなくても、
あとで振り返ったとき、あなたはきっと気づくだろう。
その選択が、新しい自分を創ってくれたということに。
そして、いまこの瞬間も、そのチャンスが目の前にあるということに。
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