「トラウマ」と「心の傷」

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今日は「トラウマ」について。

普段は、トラウマについて書くことはほとんどない。
それは、つい、いろんなエネルギーを乗せすぎてしまうから。
よく、むちゃくちゃ怒っているブログを書いている人がいて、そういうのを見ると「えらく怒ってるなあ」と思うのだけど、トラウマのことになると、私もつい。。。
という言い訳を先にしておくので、読みたい人だけ読んでください。

「トラウマ」という言葉は、世間一般的には、「心の傷」という意味で使われることが多い。
しかし、私が「トラウマ」という言葉を用いるとき、それは「心の傷」とは、明確に区別して定義している。
クライアントが、「心の傷」を「トラウマ」と呼ぼうが、本当の「トラウマ」との区別を知っていようが、私は一向に構わない。どちらにしても、本人にとって、辛く苦しいものであることには、変わりがないから。

しかし、ケアする側には、きちんとした前提知識が必要となる。
トラウマと心の傷では、その対処法がまったく異なるのだから。

私は冨永良喜教授の定義を使っている。
命にかかわることで、戦慄した恐怖を伴うときに、その出来事が、「トラウマ」になったといい、「心の傷」と区別される

つまり、戦慄の恐怖を伴って、死にかけたり、殺されかけたりした、という意味だ。
ここに「戦慄の恐怖」を伴うかどうかが、その後の経緯に大きな違いをもたらす。
この経験は、放置されたまま長期化すると、深刻なPTSDを引き起こし、記憶障害など脳にも影響を及ぼしてしまう。
(トラウマと脳の相関性については、苫米地博士も、書籍やDVDで言及されている)

しかし、「トラウマ」も、いつか「心の傷」に変えることができる。
これについては、私よりも冨永教授の文章を読まれたい。
http://heart311.web.fc2.com/stagemodel.html

この冨永教授の文章は、トラウマを理解しようという人間には、本当に役に立つものだ。
しかし、心の傷と区別しない人にとっては、
ほとんど臨場感の湧かないものらしい。

PTSDの症状と、「心の傷にふれたときの激しい感情の動き」の区別がつかない
のではないかと、個人的には推測する。

もし、あなたに深刻なトラウマがあるとして、助けを求めているとしたら、
救いを求める相手の知識や考え方を、十分に調べたほうがいいだろう。

ときどき、「トラウマも治せます!」と公言している人を見かけるけれど、
大抵は、トラウマと心の傷の区別がついておらず、
トラウマに関する専門知識もなく、
目の前にいる人間にとって、「何がPTSDを引き起こす引き金になるか」
という「可能性」について、考えたことすらないのではと疑ってしまう。
(ネットやテレビに影響されず、せめて自分で、研究書を読んでみたらどうだろう)

こういった「知識のない善意のカウンセラー」「コーチ」「セラピスト」ほど、トラウマ保持者を痛めつけるものはない。警察や医者による、セカンドレイプのようなものだ。
自分の狭い見識で、心の傷と同様に対応したために、何日も続くPTSD症状を、クライエントに引き起こしてしまう場合もある。よほど注意してケアにあたるべきだ。
(もし、本当に「治せる」自信があるのなら、ぜひ苦しんでいる人たちを助けてあげてほしい。

トラウマに苦しんでいる人の口は、重く堅い。
それぞれの段階にもよるが、傷ついているそぶりさえ、全く見せないことも多い。
そこも、話すことで癒しと解放を得られる、「心の傷」とは違う面である。)

同じトラウマという言葉を使っていても、「これは心の傷のことを言っている」とわかる治療家もいる。そういう人に、トラウマ保持者が助けを求めることはないだろう。だって、その人が扱っているのは、「心の傷」であって、「トラウマではない」と認識できるから。そのほうが、自分の思い込みを押し付ける人間よりも、よっぽど親切だと思う。

私自身、かつては「孤立無援感」に悩み苦しんだ。同じような悩みを持っている人の力になりたい。そのためにも、日々研鑽を怠らず、私を選んでくれる人のために全力を尽くしていこうと思う。
そして、私はいつか、ミルトン・エリクソンみたいになりたい。
道は果てしなく続く。

 

*パーソナルコーチ・青野ゆかり*
公式HP http://efficaciouslife.jp/
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パーソナルコーチ・青野ゆかりのブログです。心理学、無意識、潜在意識の法則、共感覚が得意分野です。 「自分やあの人は、なぜあんな言動をとるのか?」 いつもそんなことを分析しています。 ときどき、ちょっと不思議なアドバイスもします。 共感覚による「エネルギーマネジメント」についてはコチラをご覧ください。 http://efficaciouslife.jp/menu.html

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